【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
………メリ。
メリは、『見たことがないぬいぐるみ』なんかじゃ、なかった。
小さい時、お母さんがくれた、ロップイヤーのぬいぐるみだったんだ。
それがお気に入りだった私は、いつでもどこでもそのぬいぐるみと一緒で、
でもある日、私はすべり台の上から、そのぬいぐるみを、メリを、落としてしまった。
どろだらけになったメリを泣きながら持って帰ると、
お母さんは一生懸命に洗ってくれた。
そして、レースのカーテンで羽を作ってこういったんだ。
「これで、いつでも優菜が困っているときに、メリが助けに行けるよ。
だから、泣かないで」
って………
メリは、お母さんの心を引き継いでいたんだね。
私は、ひとりなんかじゃなかった。