【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「ねえ、優菜ちゃんってさ。」
さっきまでとは違う真剣なトーンの声が聞こえてきて
思わず私は振り返った。
「妖。って知ってる?」
「え…………?」
妖…………?
そう思ったのと同時に
バタン、
と扉が閉まる音が聞こえた。
はっとして
あたりを見回しても、どこにも彼の姿はない。
ふと空をみあげると綺麗な夕焼けが広がっていた。
…さっきまで星空だったのに。
ここの時の流れはやっぱり、おかしいなぁ。
そう思いながらも夕焼けの中へと身を乗り出す。