【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
たくさんの人混みをうまくかきわけて行くので、
まだ校内に詳しくない私は簡単にはぐれてしまった。
きょろきょろとリリーの赤毛を探していると
ドンッ
ちゃんと周りが見えなくなっていたのか、
私は前から来た人にぶつかってしまった。
「あっ、ごめんなさ………」
謝りかけた私は
思わず言葉に詰まった。
………なんだろう、これは。
甘くて美しい香りが私の鼻をくすぐる。
どこか、懐かしいこの香り………。
かぐわしくて、自然で……
―――大好きな香り。