【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
2*『魔法が使えちゃいました?』
「芹沢ちゃん、置いていっちゃって、ごめん。」
そう言って申し訳なさそうにリリーさんは目を伏せる。
「お詫びといってはなんだが、いい所があるんだ。」
そう言ったリリーさんは
真っ赤なりんごをかじりながら
ひとつのドアに手をかけた。
………うん。そのりんごがどこから出てきたのかは聞かないでおくね。
そして丸かじりするんだね。
ワイルドだね。
うさぎさんりんごのほうが食べやすいしかわいいと思うよ?
そんなことを思いながらも
ガチャリ
扉が開く音がしてのぞきこむと
そこには
「わぁ………!」
花壇いっぱいにお花が植えられた
小さな綺麗なベランダのようなところがあった。
辺り一面が綺麗なお花で埋め尽くされている。