【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「ご飯、食べに行こうな!」
でも、キラッキラの純粋で満面の笑みを向けてくるから
私はついついリリーちゃんをたしなめるのも忘れてしまいそうになる。
きっとこれが彼女のいいところ、なんだな。
なんて、思いながら
私は今日もベランダにむかった。
「今日はこの花が咲いたんだな!」
うれしそうにそういいながら
私の手を引くリリーちゃんの視線の先を見ると
「あ…………………」
綺麗な綺麗な褐色の花が
甘くかぐわしい香りを漂わせていた。
「金木犀だ。いい香りだろ?」
そういってリリーちゃんは無邪気に笑う。
この……香り………。
同じだ。
あの……………
―男の子の、香りと。
ずっとずっと前にも嗅いだことがある。