【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
いちばん輝いて瞳に映る
アンドロメダとアルゴルとをそっと指でなぞると
『優菜、これがペルセウス座だよ。』
幼い私に星を語る
あの優しい声が、蘇った気がした。
ふわり
季節外れの金木犀の風が
そっと私の鼻をくすぐる。
目を細め
懐かしい宙を仰いだその瞬間、
ガシャン
私は左肩に強い衝撃を受け
ぶつかった緑のフェンスが激しく軋んだ。
あっと思ったその時には
もう遅く、
私の身体は星屑の中に投げ出されていた。
藍く深い宙の中へ
――――――沈んでいった。
重力に自分の体が引き付けられていくのを感じる。