【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。







˳

˚




『……ぅな。ゆうな。』




心地よい、大好きな声が耳元で響く。




『ホシ……?』





“ホシ”と呼ばれた男の子は

ぱぁっと柔らかく笑った。






『ゆうな。これ、みて。』



男の子はそういって私に手を差しのべる。



その手をつかむと私は引っ張って立ち上げられた。





『ほら、これ。』



男の子が指さす先には






綺麗な綺麗な褐色の花が


木々いっぱいに咲いていた。







『わぁ…きれい…。』




私がそういうと、男の子はまた、優しく微笑んだ。





『これは きんもくせい っていうんだって。』








………!?



金木犀………。





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