【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
2*『黒羽惺の誘惑』
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考えれば考えるほどあの少年に惹かれていって
他になにも、考えられなくなって
気づけば私は、
また、屋上に来ていた。
広い広い屋上。
澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込むと
「久しぶり。」
聞き覚えのある声がして私は振り返った。
「最近、来なかったね?」
フェンスに寄りかかってそう笑う彼に夕陽が降り注ぎ
漆黒の髪が橙に染まる。
「なんか、悩みごと?」
そう言うと彼は私の手をそっと取った。
「そのもやもや、僕が解消してあげようか?」
彼はそう言って妖艶に笑う。
トクン、と思わず胸が跳ねた。
彼の赤い唇が私の手の甲を掠め、熱をもつ………。