【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






でも、その日、


彼女は、俺のことだけを忘れた。


俺の記憶を

俺との思い出だけを


すっかり、綺麗に忘れていた。


それはまるで



―俺を、拒むかのようだった。


そう、そして彼女は

俺の前で消えていった。


俺は、本当に守るべき時に、

守ってやらなきゃいけなかった時に


彼女を、守れなかったんだ………っ!






もう、彼女には、俺しか、いなかったのに……。


俺が守らなければ、いけなかったのにっ………。



あの子は、俺が殺したのも同然なんだ。



俺が、

俺があの時、守ってやれていれば………!


あの子は、死ななかった…。


今もずっと俺の隣で笑っていたはずなんだ。




俺が、あの子を、殺した………。





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