その嘘に踊れ
で、翌日。
資源ゴミ回収日デスヨ。
ビール缶が大量に入ったポリ袋をマンションのゴミ集積所に置いたアオは、頭を掻いて溜め息を吐いた。
一人でこんなに呑むわきゃねーよ。
もちろん、昨夜の後始末だ。
あの後ねー?
デイジーもオタくんも酔っ払ってオチちゃってねー?
片付けは全部、アオ。
ついでに二人を担いで部屋まで送り届けたのも、アオ。
愛しのしーちゃんの浴衣姿を拝む機会を作ってくれたのには、感謝するケドさぁ…
メンドクセェよ、もぅ。
アイツらとは二度と呑まねェ、なんて決意を固めて踵を返すと…
ハイ。
ソコには、同じくポリ袋を持ったオタくん。
メンドクセェよ、もぅ…
「あ…あのー…
昨夜はどうも…」
爽やかな朝には似つかわしくないボソボソとした喋り方で、オタくんはアオに声を掛けた。
「あぁ」
対するアオの返事は素っ気ない。
面倒臭いってのもあるンだろうケド、コレはもう仕様デスネ。
ワカリマス。
これ以上話すことはないと言わんばかりに、オタくんの横をすり抜けようとしたアオは…
「あのー…
前に話した、芦原さんっぽい人のストーカーなンですが…」
その言葉に、ピタリと足を止めた。