その嘘に踊れ
違うから、俺は変態じゃないから、全ては純粋なキモチの為せる業だから…
とかなんとか。
アオは身振り手振りを交えて必死に訴えるが…
変態デスヨ。
だって、眠ってる透子を着せ替え人形にして、ワンピース姿にしたのもおまえだろ?
変態間違いなしデスヨ。
なんて残念なイケメンだ。
普通、自分を拉致したのが変態だと判明したら。
被害者は今後の展開に怯え、泣き叫ぶのがデフォだろう。
『ただしイケメンに限る』効果も通用しない。
なのに透子は動揺もせずに、冷静な態度を保ったまま…
「それで、いったいなんの目的で、あなたは私を誘拐したンです?」
コトの核心に触れてきた。
冷静にも程だろ。
アイアンハートか。
むしろダイヤモンドか。
でも、その質問、待ってました!
「君を守るためだ」
アオは透子の足元に跪いたまま、彼女の小さな顔を真剣な表情で見上げた。
「守る?」
「そう、君は将来、英雄を生む。
彼は、人工知能ス○イネットによって絶滅の危機に瀕している人類の、最後の希望なンだ。
だからスカ○ネットは、彼の命を根源から絶とうと…つまり生まれる前にその母親を殺すことを目的に、この時代にアンドロイドを送り込んだ。
そして俺は、狙われている母を守れという英雄の命を受けてやって来た、未来人なンだ」