その嘘に踊れ







シズクさん???

いやいや、待て待て。
シズクが、アイツらをも震え上がらせる『凄腕』であるはずがない。

彼女は『芦原 透子』。

母親を亡くし、節操ナシの父親には放置されている、実質孤児。

でもって、フツーの地味めな女子高生。

でもって、俺の天使。

でもって手錠で拘束されていたハズで、ソレを外すには警察署に行かなきゃなンないハズで、行ったら今ココにいるワケないハズで…


「あ、そっか。
コレ、アレだ。
彼女のマスクを被った、インポッシブルなミッションをこなす人だ」


ポン、と拳を掌に打ちつけ、アオはコクンと頷いた。

すると、ソレを聞いたインポッシブルなミッションをこなす人(仮)は肩を揺らして笑いだす。


「そんなバカな。
この顔、ベロンと剥がれたりしないから」


その声。
その口調。
そして、その口癖…

イ○サン ハントじゃねェェェェェ!?


「しーちゃん!!??」


眉を吊り上げて叫んだアオは、ワンステップでバリケードの中に飛び込んだ。

言いたいコトは山の如し。
聞きたいコトも山の如し。

でも、今、この瞬間、最も大事なコトは…

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