その嘘に踊れ
…
…
…
シズクさん???
いやいや、待て待て。
シズクが、アイツらをも震え上がらせる『凄腕』であるはずがない。
彼女は『芦原 透子』。
母親を亡くし、節操ナシの父親には放置されている、実質孤児。
でもって、フツーの地味めな女子高生。
でもって、俺の天使。
でもって手錠で拘束されていたハズで、ソレを外すには警察署に行かなきゃなンないハズで、行ったら今ココにいるワケないハズで…
「あ、そっか。
コレ、アレだ。
彼女のマスクを被った、インポッシブルなミッションをこなす人だ」
ポン、と拳を掌に打ちつけ、アオはコクンと頷いた。
すると、ソレを聞いたインポッシブルなミッションをこなす人(仮)は肩を揺らして笑いだす。
「そんなバカな。
この顔、ベロンと剥がれたりしないから」
その声。
その口調。
そして、その口癖…
イ○サン ハントじゃねェェェェェ!?
「しーちゃん!!??」
眉を吊り上げて叫んだアオは、ワンステップでバリケードの中に飛び込んだ。
言いたいコトは山の如し。
聞きたいコトも山の如し。
でも、今、この瞬間、最も大事なコトは…