その嘘に踊れ

「ナニやってンの!?
しーちゃんは、そんなモン持っちゃイケマセン!!」


腰に片手を当てたアオは、もう片方の手の指をビっとシズクに突きつけた。


「危ないでショ!?
ホラ!貸して!
代わるから!」


「え…
あー…うん…ごめん」


アオの剣幕に目を丸くしたシズクが、おずおずとスナイパーライフルを差し出す。

ってコレ…

シグブレイザーR93じゃねーデスカ。

用途によって数種類の弾薬を使い分けることができる、雑食のバケモノ銃じゃねーデスカ。


「こんなの、いったいどーしたの?」


シズクに代わって胡座をかき、スコープを覗き込みながらアオは訊ねた。


「昼間、アオを狙った人が持ってた。
もう使うコトもないだろうと思って、貰ってきた」


「あの首折った話、しーちゃんがやったの!?
ほんとにしーちゃんがやったの!?」


「うん」


「はぁぁぁぁぁ!?
なんでそんな危ないコトするかなぁぁぁぁぁ!?
もうダメ!絶対ダメ!
しーちゃんは二度とそんなコトしちゃダメ!!」


「え…いや…
でも私は…」


「ダメ!
ダメってったら、ダ───メ───!!」

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