その嘘に踊れ

「…
え?
爆薬?使ったの?全部?」


「うん、全部」


「…
じゃ、俺が今つけてるコレはナンデショウ?」


「小麦粉粘土。
爆発物がなくなってたらさすがに焦るだろうと思って、その辺の幼稚園から盗んで入れ替えといた」


「…
はぁぁぁぁぁ!!??
ナニソレ、ダメじゃん!?
怒った幼稚園児が暴徒化するよぉぉぉ!!??」


胡座をかいたままクルリとシズクに身体を向けたアオは、混乱のあまりピントがズレたコトを両手を広げて叫んだ。

あーらら。

目も手も、完全にシグブレイザーから離れとる。

だが、コレはしょーがない。

『Bomb!』で自分諸共クライアントを無に帰すコトが、シズクを守る唯一の手段だと思ってたンだもん。

起死回生の一打だと思ってたンだもん。

名実共に決死の覚悟だったンだもん───!?


「まさかそれが、小麦粉粘土だなんて…
人体に優しすぎンだろ…」


深い深い溜め息を吐いて銀の髪をフルフルと振ったアオは、パンツのポケットから取り出した起爆スイッチを投げ捨てた。

ハイ。
ありとあらゆる意味で、お疲れ。

もう…
火力不足って、いったいナンナノ。

てゆーか!
そもそも彼女はいったいナンナノ!?

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