その嘘に踊れ

この状況の全てを掌に乗せたシズクが、


「あ、予備のマガジンは右側」


なんてアオに声をかけてから、派手ではないがよく整った美しい顔を少し歪めて奥歯を噛みしめる。

そして…


「Radio check.」


と、短く呟いた。

は?

ナニ言ってンの?
ダレに言ってンの?

耳から頬にかけての柔らかな曲線に白く小さな手を当ててしばらく黙ってから、再び彼女は口を開く。


「来い。
Out.」


いやいや、ほんと短いな!?

てか『Radio check』とか『Out』って…

通信デスカ?

ナンデ?

ソレっぽいモノ、ナニも持ってないよネ?
阿○博士が作った探偵バッチとか、持ってないよネ?

そこンとこも気になるが、もっと気になるのは、コレ。


「誰?誰が来るの?」


シズクの指示通りシグブレイザーを撃ちまくりながら、アオは眉根を寄せて訊ねた。

ぶっちゃけ、ココまでくれば心当たりはある。
そして大いに不安もある。

だって、ボカロ好きのQが出てきたワケだろ?

となると次は…

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