その嘘に踊れ
真相
「もうっ アオくんったらっ
そんなに睨まなくてもイイと思うケドぉ。
むしろ『ありがと、デイジー』なんつって、キスの一つもしてくれてイイと思うケドぉぉぉ」
「ほざけ。
『芦原透子』殺害を依頼したクライアントは、おまえらだと?
しかもおまえらは、シズクと同じ組織にいた、
元『Unnamed Children』だと?」
「そぉよぉ。
ザックリ言うと、アタシたちとアンタはお仲間ってコトね」
「『カルロス ミラー』と『李 静』は?」
「『李 静』は、ほんとにこのマンションに住んでる中国人留学生よ。
だけど、すっかりオタクになっちゃて。
大学にも行かなくなっちゃって。
ナゼだかソレが故郷のご両親にバレちゃって。
夏期休暇に呼び戻されたトコロに、オタが入れ替わったってワケ。
大学のPCに侵入して、学生名簿の写真だけすげ替えて、ね」
「…
(あー… 本物もソッチ系の人なンだ…)」
「『カルロス ミラー』はまるっと虚構。
でも、『club N』は実在するわよ?
経営してるオバサンがね?
エントリーした覚えのない懸賞の豪華海外旅行に、ナゼだか当選しちゃって。
愛人やってるバイの従業員と仲良く旅立っちゃって。
店が臨時休業になったトコロに、このコが潜り込んだってワケ。
アンタのお友達と会って偽の就労ビザなんかを提示したのは、このコなのよぉ」
「…
(ンだよ、ソレ。
もうなんも信じらンねェよ。
ワケわかんねェよぉぉぉぉぉ!!)」
ハイ。
ワケわかんねェのは読者サマも同じデスYO!
まずこの状況と、謎の『このコ』を説明しましょうか。