その嘘に踊れ
…
…
…
ん?
あら?
ちょっと待って?
「…
ね、しーちゃん?
今… なんてった?」
アオはあまりの緊張に顔を強張らせながら、低い声で訊ねた。
途端に透子の足がパタパタと上下に動く。
「おーなーかーすーいーたー」
駄々っコかよ。
よし。
ソレはもうわかったから。
「違う、しーちゃん。
その前は?なんてった?」
「前? 前…
『ねェ、アオ』」
ソレだ─────!!
「ね、ね、もっかい!」
アオは透子の細い肩を掴んで彼女を引き起こし、ガクガクと揺さぶった。
「…は?」
透子の表情が若干引きぎみに歪むが…
気にしなーい!
「もっかい!
呼んで?俺の名前!」