その嘘に踊れ

細い腕に通されたショルダーベルトを引き抜いて。
バックパックを奪い取り。
さらに、その辺にペイっと放り出し…

シズクの肩に後ろから両腕を回したアオは、バックパックの代わりに彼女の華奢な背中を全身で包み込んだ。

キタコレ。

今度こそ本物のスイーツ(笑)!

何回もなんちゃってで終了してた、本物のなろ抱き!

シズクの小さな身体がギシっと強張ったようだが、気にしなーい!


「シズク…
俺のコト、好きって言った?」


「…
言った」


「嬉しい…」


短い髪では隠しきれない首筋に唇を押し当てると、ますます彼女はギシギシと硬直するが、気にしなーい!


「俺はもっと好き。
大好き…シズク…」


「…
ひでぶ」


「ハイ?」


どーしてソコで、おまえはもう死んでいる?

でもやっぱ、気にしなーい…
ワケにはいかなかった。

小さな手で左腕を握られたかと思ったら、左肩までシッカリと掴まれて。

勢いよく前のめりになったかと思ったら、足が浮いて身体が宙を舞って。

なんか…
コンクリートに背中を叩きつけられたから…

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