その嘘に踊れ

「ナニソレ、コワい」


「コワくないって。
可愛いって。
まじ天使」


「だから、コワいのはアオ…」


「それにね?
生地だって、リヨンの最高級シルクなンだよ!
シンプルだけど女のコらしいAラインのシルエットと、胸元のボリューミーなドレープが、しーちゃんの華奢すぎる体型をカバーしてくれ」


「どーゆー意味だ、コラ。
呪われろ、世の貧乳女子に呪われろ。
いや、やはりココは、私の手で…」


「やめて!?
イイじゃん、掌サイズ。
控えめで、生々しくなくて、でも敏感そうで…

や、そーじゃない。
ワンピの話だよネ?そーだよネ?
あー… コホン///」


「…
つまり、好みだ、と」


「そうそう、ワンピがね。
なんか、しーちゃんはこーでなきゃってカンジで」


「なら、アオが着ればイイ」


「…
ソレは違うだろ」


「好みなンでショ?
ほら、遠慮はいらない。
ほぉら、ほぉら、着ーれーばーいーいぃぃぃ」


「…


ナニソレ、コワい…」


こだわり転じて呪いと為す。

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