その嘘に踊れ

「ある雨の夜、下人は一つの部屋の灯りが消えているコトに気づいた。
慌てて駆けつけるとソコは家の娘の部屋で、どうやら風か、湿気による蝋の劣化かナニカで、自然にローソクが消えてしまったようだった。
仕事をサボっていたワケじゃないンだから、このまま新しいローソクと取り替えて、ナニもなかったコトにしようと考えた下人は…」


娘がいたのね。
他に家族は?



てか、下人は…?


「娘の部屋に入って、彼女の枕元にある燭台に近づこうとして…
見てしまった。
暗闇の中、布団の上に棒立ちになって、聞き取れないほどの小声でナニかブツブツ呟いている娘を」


コワっ!?


「下人が声をかけても、娘は反応しない。
微動だにせず、ブツブツ言ってるだけ。
恐ろしくなった下人は、一目散に逃げだした。
そして雨が上がった明け方、気になって屋敷に戻ってみると…」


みみみみみると…?


「ソコは血の海。
狂った娘が、家中の人間を惨殺してた」


ギャァァァァァ!!??


「無駄に金と権力がある家だったから、すぐさま縁者がスっ飛んできて、事件は隠蔽された。
娘がどうなったかはわからない。
いつからあるのか、どうしてなのか、よくわからない家の決まり事は、いつからなのか、どうしてなのか、よくわからないままにかけられた呪いの発動を防ぐためのモノだったっていう、芦原家に伝わる本当にあった怖い話デシタ」


まーじーコーワーい───!!

結局呪いの正体が不明のままってトコがまた、なんかリアルでコーワーいぃぃぃぃぃ!!

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