その嘘に踊れ
だが…
ハイ、無理ー。
透子は、伸びきった手錠の鎖をジャラジャラ鳴らしてますますアオにしがみつき、必死の形相で彼を見上げて…
「アオ!シュー!シューは!?」
なんか叫んだ。
ナニ?
『シュー』?
意味不明。
頭を冷やして改めて部屋を見ると、ゴツい金髪男とヒョロい黒髪男の動きも意味不明。
スイカを抱えたままベッドの上でピョンピョン飛び跳ね、
『ソッチよ!早く!』
『ヤだぁ!コッチ来た!』
と、ナゼか女言葉で喚く金髪。
クルクルと回転しながら手にしたナニカを床に叩きつけ、
『あ…逃げた…』
『なんで僕が…』
と、ボソボソ呟く黒髪。
てか、黒髪くん?
君が持ってるソレ、トイレのスリッパじゃね?
透子は透子で、
『シュー!』
『シュー!』
と、涙目で訴え続けている。
だーから、ナニ?
『シュー』?
床にナニか…
縋りつく透子の頭をよしよしと撫でながら、アオが身を屈めようとした時…
「やった…」
と小さな声で言った黒髪が、額の汗を腕で拭って顔を上げた。
すると透子と金髪が、涙ながらに万歳三唱…
ナンナノ?まじで。