その嘘に踊れ

『シュー』って、殺虫スプレーのコトだったのね…


「ゴキブリごときで、こんな騒ぎに…」


アオが再び深い溜め息を吐く。

まぁ… そうね。

フツー、家にゴキブリが出没しても、ここまで戦場にはならないね。

だが、目に涙を浮かべた透子が、膝を拳でトントン叩いて抗議する。


「全っ然、『ごとき』じゃないしっ!」


目に涙を浮かべた金髪も、膝を拳でゴンゴン叩いて抗議する。


「そうよぅ!
飲食店が多い地域だから、この辺りのアイツらは体も大きい歴戦の勇者たちなのよぅ!」


「シューもなく、どーやってあの黒い悪魔に立ち向かえっての!?」


「ごめんね…
アタシがザ・ファーストで、バクダンアリの能力を持ってさえいれば…」


「スミマセン…
僕がザ・セカンドで、オオミノガの能力を持ってさえいれば…」


って、ナニ?この茶番。

ココは地球だ。
火星じゃない。

しかも最後、何シレっと黒髪くんまで参加してンの。

でも…
そうか。

透子を襲撃したのは、テ○フォーマーだったワケか。

恐れていた、最悪の事態ではなかったというワケか…

< 85 / 291 >

この作品をシェア

pagetop