その嘘に踊れ
『シュー』って、殺虫スプレーのコトだったのね…
「ゴキブリごときで、こんな騒ぎに…」
アオが再び深い溜め息を吐く。
まぁ… そうね。
フツー、家にゴキブリが出没しても、ここまで戦場にはならないね。
だが、目に涙を浮かべた透子が、膝を拳でトントン叩いて抗議する。
「全っ然、『ごとき』じゃないしっ!」
目に涙を浮かべた金髪も、膝を拳でゴンゴン叩いて抗議する。
「そうよぅ!
飲食店が多い地域だから、この辺りのアイツらは体も大きい歴戦の勇者たちなのよぅ!」
「シューもなく、どーやってあの黒い悪魔に立ち向かえっての!?」
「ごめんね…
アタシがザ・ファーストで、バクダンアリの能力を持ってさえいれば…」
「スミマセン…
僕がザ・セカンドで、オオミノガの能力を持ってさえいれば…」
って、ナニ?この茶番。
ココは地球だ。
火星じゃない。
しかも最後、何シレっと黒髪くんまで参加してンの。
でも…
そうか。
透子を襲撃したのは、テ○フォーマーだったワケか。
恐れていた、最悪の事態ではなかったというワケか…