その嘘に踊れ



ナニソレ、コワい…

アオがさりげなく金髪から視線を逸らすと、その先には黒髪くん。

俯いてるケド、口の端がヒクヒクしてるようデスネ。

他人事だと思って、笑いやがって。

もぉ…
ほんと帰って。

わりと切実に。

なのに、腕の中の可愛い人ときたら…


「お二人とも、ありがとうございました。
本当に助かりました」


なんて、彼らに向かってペコリと頭を下げる。

まぁ、ね。

コイツらが、愛しのしーちゃんのピンチを救ったのは事実だし。
その辺は感謝すべきだと思うし。

コーヒー一杯くらいなら…


「じゃ、お茶の用意してくるから」


アオは抱いていた透子をベッドに下ろし、彼女の頭に軽く手を乗せて微笑んだ。

寝室を後にしてキッチンに立つと、開けたままのドアの向こうから会話が聞こえてくる。


「申し遅れました。
私、芦原透子といいます。
ごきげんよう」


あ、初対面バージョンのしーちゃんだ。
ちょっと懐かしい。


「アタシはデイジーよぉ。
まぁ、源氏名だケド。
ヨロシクね!」


これは金髪だな。

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