その嘘に踊れ

その、『自分は平凡』とか『魅力がない』とかいう思い込み、改めたほうがイイと思うよ?

少なくともココに一人、ストーキングどころか誘拐犯にまでなっちゃう酔狂なヤローがいるワケだから。


(しーちゃんてば、頭いいクセに自分のコトはなんにもわかってないンだから…)


なんて、アオが透子にバレないよう、横を向いてコッソリ溜め息を吐いていると…


「はぁ…
透子ちゃんはなんにもわかってないわねェ」


同じく深い溜め息を吐いたデイジーが、アオの心の声に同調した。


「よく聞いて…
派手な女のコは交遊関係も派手に見えるケド、所詮遊びなのよ…」


どーした、デイジー。

急に遠い目になってっゾ。


「透子ちゃんみたいな、目立たないケドよく見りゃ美人で大人しそうな女に、いつだって男は本気になるのぉぉぉ…」


おいおい。

今度はプルプル震えだしたよ。


「そして!
『あの娘は弱いから、俺がついてなきゃダメなンだ』とか言って!
別れを切り出してくるのよぉぉぉぉぉ!!」


あーあ…

とうとう髪を掻き毟って絶叫しちゃった。

清楚系地味美人に、男を奪られちゃったコトがあるンですね。
ワカリマス。

オタくんも狂乱のオネェから目を逸らし、『察し…』とか呟いてるよ。

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