白い嘘

ふたり

「……」


ドキンドキン


耳が熱い、


体が熱い、


心臓の速さが、



速い_ _ _


久しぶりに聞いたその言葉は、嬉しくて、嬉しくて‥‥‥‥


ドキンドキン


心臓が煩く鳴る。


俯き唇を噛んで、溢れそうになる涙を必死にこらえる。


制服のスカートが風に合わせて揺れる。


それさえもぼやけて見えて。


蒼真、私のこと嫌いになった訳じゃなかったんだ。


ドキンドキン


たぶん涙でぐしゃぐしゃな顔をあげる。


「私も……」


前より、ずっと。


もっと。


好きだと、想えた。


ここが、私の居場所なんだと。


強く、想った。


心が叫んでいる。


蒼真が好きだと。

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