白い嘘

青空

「……」


今日も独りの教室。


遠くで数学の先生が問題を解いている声が聞こえる。


皆の輪の外側で私は窓の外を眺める。


今日の空は昨日よりも眩しく輝いていて。


昨日よりも大きく感じた。


その下で、3年生の男子たちが体育の野球をしている。


カキーン


青空に真っ白なボールが飛んでいく。


白いボールは、大きな入道雲に吸い込まれそうで。


「おーらい おーらい」


元気な声と共にグローブの元に落ちていった。


遠くでボールを捕った人を誉める言葉が聞こえる。


キーンコーンカーンコーン


軽やかなチャイムの音が響く。


「きりーつ、きおつけー、れい」


今日もやる気がない委員長の声と共に皆が同じ動作をする。


私は、それに少し遅れて礼をした。

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