白い嘘
「美味しい?」


蒼真が今日のお礼にと、近くの喫茶店でパフェを奢ってくれている。


「うん。」


ここの喫茶店も蒼真とよく行ってたな。


小さい頃はパフェに手が出なくてアイスばっかり食べてたな。


懐かしい思い出が溢れてくる。


それは綺麗なピンク色のさくらんぼと同じくらい酸っぱかった。


「……覚えてる?」


「何?」


蒼真を見ると何処か遠くを見つめてるような感じがした。


「いや、なんでもないや。」


からかったように笑う。


私はそれに口を尖らせる。


同時にひょいと蒼真の手がパフェの先にあるポッキーを掴んだ。


「…あ」


「いただき。」


陽だまりに当たった蒼真の笑顔。


それを見ながら思う、


心の中で呟く。

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