白い嘘
「…ただいま。」


冷たい廊下。


静かなリビング。


暗い部屋。


ここでは、私はいつも独り。


足にキツくて硬い寂しさが絡み付く。


「……」


そのつたが私を強く苦しめる。


息苦しい。


じわじわと私の心臓の奥へ奥へと近づいてくる。



私は、


ここが


この家が


嫌い。


『美歩。』


暖かい色した、あの場所に戻りたい。

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