白い嘘
「…」


あと30分たてば昼休みになるなーなんて、一瞬時計に目をやってからおもう。


いつもと違う所で勉強をするのは、なんだか不思議な気分だった。


少しだけ落ち着かないからか、時間が長く感じられる。


風が頬を撫でる。


近くでサワサワと木々が揺れた。


それに合わせて影が踊る。


「‥‥…」


窓からの景色が違う。


雲が静かに流れているのが分かる。


遠くで先生がプリントを配る姿が見える。


キーンコーンカーンコーン


軽い音は、少しだけ小さい。


「プリント配り終わったら終了していいぞー」


そう言って重たそうな体を揺すって出ていった。

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