白い嘘



綺麗‥‥…


青空が広がっている


一面の青と太陽の光が眩しい


綺麗‥‥


トクン


目が奪われて離れない


澄み渡る青


心が


暖かい


今日こんなに晴れてたっけ………


雲が一つもない


青 青 青 青


光が舞うようにして青を照らす


少しだけ埃っぽい匂いがする


「ここはな、一応前は美術室として使われてたんだよな。で、その先生が空が好きだったから窓を大きくしたんだ。あいつん家金持ちだったからなー。なつかしーな。」


そう言って茶髪の人はグルグルとあたりを回り始める。


確かに辺りには大小様々な大きさの絵画や置物が乱雑に置かれている。


「‥‥綺麗です。」


青空に目を向けたまま呟く。


「ん、良かった良かった。」


きっと、その人の顔は笑ってるんだ


そう、思ったらなんだかくすぐったくなって。

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