白い嘘
先生との面談があったせいで、今日は帰るのが何時もより遅い。


いつもより暗い空の下。


うつ向きながらゆっくりと歩く。


「……」


明るい車のライトが私を照らして、走っていく。


歩道には、人影がなくて。


「…」


しばらく歩いていると、自分の足下に長い影が伸びてきた。


それは、濃くなったり薄くなったりを繰り返す。


その人を避けようと、右に行く。


それに合わせて、影も右に。


「……」


風が吹く。


優しく私の頬を撫でるように過ぎていく。

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