振ったのは僕だった。



「フゥッ、フゥッ」


私が歩いてると、折り畳み傘を片手に持った男の子が横を走り抜いてく。


あ、岡田君…。

帰るのかな?
にしてはカバン持ってないし。


何をあんなに急ぐ用事があるんだ?


その疑問の答えを、私は数分後に知ることになる。



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