ノイジーマイノリティー
「大丈夫だよ、愛果
ごめん、別の事考えてた」
半分嘘の半分本当
ずっと君のこと考えてたんだ
そう言うと
彼女は安心したような顔で
笑った
「良かった、ハルにはつまんないかな
なんて思ったから」
そう言って
繋いだ手を自分の方に引く
「ちょっと嬉しくて
はしゃいじゃった」
そう言って
今度は
繋いだ手を
ぶんぶん
前や後ろへと
振り出した
そしてまた
笑顔で
歩き出す
少し照れた君の横顔
ちょっと待て!
もしかして
俺と同じ気持ちだったのかな
月の光に照らされた
顔は
青く輝いて
どんな色かなんて
俺にはわからなかった
駄目だ
限界
俺は彼女を抱き寄せた
そしてギュッと抱きしめる
彼女の鼓動が
彼女の肌から伝わってくる
トクトクと早いリズムを刻んでいる
本当に馬鹿な俺
君の気持ちに気づいてなかった
「ハル大丈夫」
柔らかな君の香り
初めて近くで感じた
周りの音は
何も聞こえない
君の鼓動と
俺の鼓動
他には何も聞きたくなかったんだ