ノイジーマイノリティー


いつもの通り



呼びにきた案内係の店員(知り合い)



の後ろについて



パームビーチの



小さな舞台に上がる


彼はピアノの前



俺は



中央のマイクの前だ



小さな照明の光に照らされて



近くのテーブルの人達くらいしか



顔がみることはできなかった



もっと近くに



ぷかぷかと浮かぶ



ホコリの様なものは



良く見えるのに



俺達が舞台に上がると



客席から拍手が



バラパラと上がった



そしてしばらくすると



拍手が止む



俺は



ピアノマンの顔を見る



彼は声にならない声で



こう呟いた



さあ、あそこに彼女がいるんだ



そして



ホールをチラリと盗み見る



俺と目があうと



ニヤリと笑った



なんだか俺は楽しい気分になった



静かな客席に目を移す



やっぱり



良く見えない



ライトが近くから当たりすぎて



ライトの光ばかりが



目に入ってくるのだ



それを見て俺は思った



この光の感じ



愛果と行った



公園の昼下りの光だと



愛果が後で



テキストを開いてる



俺は


背中合わせで


芝生に座りこみ



楽器の練習を始める



ご機嫌斜めの愛果が



文句を言う



青空の下



思う存分


楽器を演奏できることに



俺は



舞い上がっていたんだ



それで



俺は考えた



ここは公園の芝生の上



隣には



ご機嫌斜めの愛果



彼女を音楽で



幸せにしてやろう



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