ノイジーマイノリティー
とにかく元気そうで良かった
母はそう言って笑った
そして父の話を始める
子どは俺一人だから
父への不満を聞くのは
俺の役目だ
学生の頃は
それがめんどくさかったけど
目の前にいる母は
あの頃より少し年老いた母
久しぶりだからかな
嬉しいそうに話す愚痴は
楽しげた
「父さんも元気そうだね」
母はその言葉に笑顔になる
「ばあちゃんは元気?」
その言葉に顔が曇る
「お義母さんは昔の人だから
あなたのこと心配してる
だから父さんもね」
きっと、なんか言われてるんだ
昔からある
嫁と姑女の関係
悲しむ後姿を何度みただろう
「お茶温かいの持ってくるよ
ゆっくりして行きなよ」
その言葉にほっとした顔をする
「ありがとう、見方はハルくらいだよ」
言ってる意味解ってないな
悪気のない発言は昔からだ
気にしなけれはいい
母は悪くない
そして俺も
しばらくノンビリと話をして
母は帰っていった。
俺は
帰り際
俺は母に声を掛けた
また来いよと
その夜
俺は熱を出して
初めてパームビーチを休んだ
怠くて
何処へも行かず
連絡するのも面倒で
店に連絡すると
市販の薬を服用して
ベッドに入ってじっとしていた
すると
机の上に置いたスマホ震えた
誰かからの着信だった
普段からバイトの時は
マナーモードにしている
そのままになっていたのだ。