ノイジーマイノリティー
手を伸ばし手に取る
そして
画面を覗き込んだ
そして飛び起きた
愛果の名前が表示されていたのだ
俺は直ぐに対応ボタンを押した
そして返事をする
耳に愛果の柔らかな声が
流れ込んできた。
俺は急いで彼女を迎えに行く
暗い駐車場に
買い物袋を下げた彼女
気弱になってるくせに
たまらなく
君に甘えてみたくなる
我儘を言って君の手をとる
ちょっと驚いた君の顔
とても愛しくて
自分のものにしたかったんだ
二人きりになると
俺は思わず
君を抱きしめた
君の髪からは
夜の香りがした
柔らかな君の感触は
疲れた俺の気持ちを
癒すのに十分だった
気持ちが満たされると
大胆なことをした自分に気付き
驚ろく
そしてそんな自分を
正当化するような言葉が口をついた
馬鹿な俺
けれど愛果はそんな俺を
優しくかわす
真面目な君
そんな君に俺は救われてるんだよ
君のその優しさが
ちょっとスネた俺の気持ちを
ノックする
音楽への気持ちしか
持ってなかった俺
そこに君という音が混ざる
毎日が楽しい喜びで溢れ
それが音楽にも表れてた
朝起きると幸せで
ワクワクしていたんだ