ノイジーマイノリティー

思ったより深く眠ってしまったらしい


のんびりラインでメッセージを


交換すると



ようやく目が覚めてきた



その頃



ようやく外のメンバーが現れた



長椅子でスマホを触ってる俺を見て



ニヤリとすると



スタジオへと入っていく



愛果が仕事に戻ると



メッセージが来たので


俺も


スタジオに入った。



入ってきた俺に



ピアノのエリックが声を掛ける



「デートは終わったかい」



からかう気満々だ



「まーね」



わざとぶっきらぼうに返事する



一緒に用意を始めた



ギターの直哉が



エリックと目を合わせて



口笛を吹き


「フゥー!」



と、言ってニヤニヤ笑う。



「素直じゃないなぁ、俺なら耐えられない」




二人とも今日も彼女の部屋から



やって来た。



東京暮らしが長い



知らん顔して準備を続ける



二人ともそう言う話しが大好きだ



なんて言われてからかわれるか



わからない




初めて知り合った時



散々話しを聞かれて



最後に二人で話し始めて



いつの間にか二人の彼女の話に



なった。


つまり、俺の話はおとうしみたいなものだ



彼女の愚痴が



やがて自慢になる



話に付きあうだけ



損だ



黙々とサックスを拭いたり



自分の場所を確保する



すると


後ろから



鼻歌が聞こえてきた



上を向いて歩こう



東京に来て良かったこと



仲間が増えたこと



鼻歌を歌っていたのは



もう一人の年配のギタリストだ



学生の時



こんな時の鼻歌は



アイドルの歌だった。



鼻歌は



ジャジーにアレンジされていた。



スイングのリズム



わかってもらえると嬉しくなる



愛果




俺今凄く楽しいよ





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