蜂蜜ワルツ
SHRが終わるのが、ちょうど4時。
……ということは。
「ご、ごめんなさい……!」
「……?」
「ずっと、待っててくれたんですか……?」
恐る恐る尋ねると、まあ、と頷く服部くん。
申し訳なくて、ちゃんと顔を見れない。
だからといって、普段から顔を見て話せているわけでもないのだけど。
とにもかくにも、こうしてはいられない。
鞄に荷物を詰めて、慌てて立ち上がる。
「……」
「……、」
そんなわたしを見てか、服部くんは無言のままドアへと向かう。
わたしもその背中を追い、付けっぱなしだった教室の電気を消した。
一緒に帰ってるって言っても、わたしたちの間に会話はない。
静かな廊下だと、それがよりいっそう際立って。
少し虚しくなる。