蜂蜜ワルツ
あの日と同じくらい、ううん、それ以上に。
真っ赤な真っ赤な服部くんと、目が合った。
手の甲で口元を押さえている彼は、ちらっと一瞬、目を逸らしたあと、もう一度わたしを見た。
「……やばい」
「……え?」
「嬉しくて、空飛べそう」
一体、どうしたの。
ミホちゃん相手になら、こういうツッコミだって入れられるのに。
それが出来ないのは、やっぱり友情とは違う意味で、服部くんのことが好きだからで。
「石川が、そんなこと思ってるなんて、知らなかった」
「えっ、と……」
目を見て話すって、こんなにどきどきすることだったっけ?
心臓、いつか破裂しちゃうんじゃないかな。