蜂蜜ワルツ
頼りないなー、とまた笑われながら、階段を下りる。
角を右に曲がると、隣にいたミホちゃんが足を止めた。
「どうし……」
どうしたの、は言えなかった。
着替える時間が短くなってしまったとしても、それは仕方ないと思う。
ミホちゃんはゆっくりと歩き出す。
「つーか、明日どうする?」
「いつものとこで良くねー?」
すらっとした長身。
ナチュラルカラーの無造作な髪。
ちょっとだけ骨張っている手と、くっきり出ている喉仏。
左目の下にある泣きぼくろ。
正面から迫ってくる男の子の集団。
服部くんは、今日もすぐに見つけることが出来た。