蜂蜜ワルツ






頼りないなー、とまた笑われながら、階段を下りる。

角を右に曲がると、隣にいたミホちゃんが足を止めた。


「どうし……」


どうしたの、は言えなかった。

着替える時間が短くなってしまったとしても、それは仕方ないと思う。

ミホちゃんはゆっくりと歩き出す。




「つーか、明日どうする?」

「いつものとこで良くねー?」



すらっとした長身。

ナチュラルカラーの無造作な髪。

ちょっとだけ骨張っている手と、くっきり出ている喉仏。

左目の下にある泣きぼくろ。


正面から迫ってくる男の子の集団。


服部くんは、今日もすぐに見つけることが出来た。





< 23 / 30 >

この作品をシェア

pagetop