蜂蜜ワルツ





どくん、身体が全部、心臓になったみたいだ。


目が合ったわけでもないのに、尋常じゃないくらい、顔が熱い。

一歩足を出すだけで、ちょっと近付くだけで、どんどん頭が真っ白になっていく。


会えるのは嬉しいのに、どうしたらいいか分からなくて。


結局、俯いた。




男の子たちの足音が、やけに大きく聞こえる。

すれ違うだけなのに、肩が強張る。




すると。





こつん、こつん。




右手の甲に、何かがぶつかった。





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