蜂蜜ワルツ






もう、それだけで十分だった。

ただ、嬉しくて嬉しくて。


予鈴が鳴らなかったら、わたしはずっと手を振り続けてたんじゃないかってくらい。











「……なんていうかさー、」



ミホちゃんが呟くように言った。


「そんなに恥ずかしいなら、あんなことしなきゃ良かったのにさー……、」

「わあああああ、もう言わないでミホちゃん……!」


口を塞ごうとしたのに、更衣室にはたくさん着替えてる子がいて。

なになに?と興味津々に、みんながミホちゃんに問い掛ける。


「あのねー、さっきねー、」

「あーあーあーあー……!」


思いっきり叫んで、ミホちゃんの声を掻き消そうと努力したけど。




< 28 / 30 >

この作品をシェア

pagetop