蜂蜜ワルツ
もう、それだけで十分だった。
ただ、嬉しくて嬉しくて。
予鈴が鳴らなかったら、わたしはずっと手を振り続けてたんじゃないかってくらい。
「……なんていうかさー、」
ミホちゃんが呟くように言った。
「そんなに恥ずかしいなら、あんなことしなきゃ良かったのにさー……、」
「わあああああ、もう言わないでミホちゃん……!」
口を塞ごうとしたのに、更衣室にはたくさん着替えてる子がいて。
なになに?と興味津々に、みんながミホちゃんに問い掛ける。
「あのねー、さっきねー、」
「あーあーあーあー……!」
思いっきり叫んで、ミホちゃんの声を掻き消そうと努力したけど。