蜂蜜ワルツ
「もー、ちょっと石川ちゃん、黙っててー」
古都ちゃんにそうやって言われたら、結局わたしは何も言えずに、耳を塞いで更衣室を出るしかなかった。
人の口に戸は立てられず、ってこういうことだ、なんて思う。
「わー、もう、絶対わたし顔赤い……」
そう言って顔を扇ぐ。
でも、一人になると、浮かぶのはさっきの服部くんの笑顔で。
“付き合う”って、どういうことなんだろう。
いまいち、それはまだ分からないけど。
とりあえず、今のところ、わたしは。
服部くんと一緒にいられたら、それだけで嬉しいです。
―fin―
(アン、ドゥ、トロワ)
(テンポは人それぞれで)