蜂蜜ワルツ
かあっと熱くなる頬を手で扇ぎ、好奇の目で見つめてくるミホちゃんから逃れるように、そっと視線をお弁当に向けた。
「で? 実際、どうなの?」
どうやら、それも無意味だったらしい。
ブロッコリーをフォークでつつきながら、ぽつりと呟くように言った。
「……ってる……」
「え?」
「い、……いっしょ、に、帰って、……る」
蒸発寸前の顔の熱さ。
しゅう、と音がしそうだ。
恥ずかしくて、どうにも顔が上げられない。
だって、きっと、ミホちゃんはにやにやして、また冷やかしてくるだろうし。
そう思っていると。
「え、それって、本当に付き合ってんの?」
「……え?」
なんともつまらなさそうな声が降ってきた。