中毒性アリ!?副編集長に手なずけられました
「紫水、こっちおいで」
「嫌ですよ、同じ日に風邪なんか引いたら疑われます」
「これ多分知恵熱だから多分大丈夫」
「多分が多いですよ!」
「褒めてあげるから、こっち来いよ」
――ほら、やっぱりこの人は危険だ。
いつも柔らかい表情をしていて、無害そうなのに、ふとしたことをキッカケに獣のようなその瞳で私を捕まえるんだ。
そして、私はその瞳に一切逆らうことができないのだ。
パソコンを静かに閉じて、私は獣のいるベッドに滑り込んだ。
彼は私の頬を優しく撫でて、額にキスをした。
「う……、真塩さん熱い……っ」
「布団蹴っ飛ばしていいよ」
「そうじゃなくて、唇が……っ」
吐息が、呼吸が、体温が、全てが熱くて仕方ない。私まで熱に浮かされてしまいそうだよ。
顔を背けて呼吸を整えていると、彼はぐっと私の顎を掴んで、今度は頬にキスをしてきた。
「……そんなに熱いなら、脱ぐ?」
その甘美な囁きに、思わずハイと返事をしそうになったけれど、私はすぐに顔を横に振った。横に首を振ったその瞬間、再び顎を掴まれて、今度はもっと深いキスを唇にされた。
「んっ、う、真塩さんっ……」
「風邪移しちゃうかもって思ったんだけど、やっぱり我慢できなかった、ごめんね、事後報告だけど」
「やっぱり風邪なんじゃないですかっ、んんっ」
抵抗したけれど、すぐにまた口を塞がれて言葉を無理矢理断たれてしまった。
この前よりずっと熱い真塩さんの唇が、舌が、口内をかき乱す。
意識が段々と朦朧としてきて、体中が真塩さんと同じぐらい火照りだした。