中毒性アリ!?副編集長に手なずけられました
新たな波乱
このままじゃ、真塩さんのことで頭がいっぱいになってしまう。
キスをする前の真塩さんの真剣な瞳や、息遣い、欲に耐えきれなくなった瞬間の、あの強引な引き寄せ方。
全てが脳に焼き付いて、思い出すたびに胸がきゅっと締め付けられたように苦しくなる。
あの人を繋ぎとめているのが私の匂いだけだとしても、私はあの温かいキスの感触を知っているのだ。
正直もう、真塩さんのことを考えない日なんて、ない。
彼のことが好きなのか、求められて有頂天になっているだけなのか、どっちなのか自分でも分からない。分からないけど、彼のことを好きになるのはとても怖い。
大人の恋は、好きの種類がとても多いと思う。
真剣に付き合いたいと思う好きや、恋人にはなれないけど手放したくないという身勝手な好き、身体だけ繋がっていたいという好き……。相手が自分に寄せている好意がどのタイプなのかを見極めなければならない。
年を重ねると、どうしてこうも沢山のことが複雑になってしまうんだろう。
傷つくことが怖いという気持ちは、どんなに大人になっても薄れないものなのに。