中毒性アリ!?副編集長に手なずけられました


……真塩さんと連絡を取らなくなってもうすでに二週間が経とうとしていた。しかし、タイミングが良かったのか、私はこの二週間鬼のように忙しく、残業が続き、真塩さんも出張が多かった。

つまり、彼のことを考える時間が極端に少なかったし、そんなヒマは無かった。

これでいいんだ、よかった、と言い聞かせているうちに、本当に良い方向へ向かっているような気持ちになってきた。真塩さんの彼女については、まだちゃんと確認できずにはいるけれど、知ったとしても私にはもう関係のないことだ。

「紫水は今付き合ってるやついないのか?」
「随時募集中ですよー」
「はは、プラカード下げとけよ」
「その手がありましたね、なんで気づかなかったんでしょう」
「お前普通に顔可愛いのにな」
「ごふっ」

あまりに免疫がなさ過ぎて、自然に流すべきだった所で動揺してふいてしまった。ダサすぎる。
轟さんにとってはなんでもない言葉のはずなのに、この年でこんなに取り乱してしまうとは……。

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