今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
第3章
全てがなくなる side清也
高校一年。
俺の生涯はバスケにかける、そう考えてしまうほど俺はバスケに夢中だった。
ボールを床につく度に聞こえるダムダムという音、ボールをゴールにめがけて放った時に見せる弧を描くかのような軌道、パサッという音と共にリングを通過するボールの音、どれもが大好きだった。
俺はバスケをするために産まれてきたー……
けど、それは真っ向から否定される。この腕のせいで。
『血液検査、CT、MRI、そして筋電図検査の結果、結城君は筋委縮性側索硬化症だと考えられます。
私たちの手足などを思い通りに動かすときに必要とされる筋肉を随意筋といい、随意筋を支配する神経を運動ニューロン、つまり神経細胞のことですが、こちらが何らかにより侵され、筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなり、筋肉を動かしにくくなったりするのです。
ですから、結城君の腕が上がりにくいというのも、こちらの理由からだと思われます』
淡々と医師から語られる、俺の病名。
診察室で俺の母親と父親も茫然とした顔をしている。
いや、聞いた本人でさえ、茫然としている。
だって、この間の試合で腕を痛めた、だから腕が一時的に上がらない、そう思っていたのにさ。
目の前の医師は俺からカルテに視線を移動する。
そのまま俺を見ようとはしない。