今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『………先生、答えてよ?』
『俺、バスケ出来ないの?』
もう一度、医師に問いかけた時、医師はその口を開いた。
『残念だけど、バスケは出来なくなると思うよ』
静かに、さっきよりもっと静かな声で、そう返した医師。
その瞬間、俺は奈落の底に落ちていくような気がした。
真っ暗闇の中、どこが着地地点なのかさえ分からずに…
『………嘘だ……。
嘘だよな……嘘だって言ってくれよ!
冗談でもいい……冗談か嘘、どっちか言えよ!』
気が付けば、俺は医師の襟元を掴んで引っ張っていた。
その行動に少し苦しそうな顔を見せる医師。
けれどそんなのかまうことなく、俺は何度もその襟元を揺らす。
『………言ってくれよ……
治る方法があるならなんだってするからさ!
だから……冗談だよ、治る方法ならある……そう言えよ!』
『………止めなさい!清也!』
何度も何度も問いかける俺を父親は脇の下に腕を入れ、医師から俺を引き剥がそうとする。
父親の力の方が強かったのか、俺は父親に抑えられ、そして息を荒げたまま医師を睨みつける。