今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『……清也!』
廊下を急ぎ足で歩く俺を今度は違う奴が呼びかけてきた。
振り向かなくても、その声の持ち主は分かるー……
その声の持ち主は俺の右腕を掴む。
掴まれた瞬間、振り払おうとしたけれど、俺の腕は自由に動いてくれない。
振り払われなかったことをいいことに、そいつは俺の右腕を引いた。
『ねぇ、最近の清也、なんか様子おかしいよ?
何かあったの?』
背後からの問いかけ。
俺は後ろに振り向く。
『……別に。なんもないけど』
俺の答え方に、そいつは俺の顔をまじまじと見つめてきた。
『嘘。清也、嘘ついてる!
だって清也、あんなにバスケが大好きだったのに……どうしてバスケ部を辞めちゃったの?どうしてバスケをやらないの……?』
どうしてバスケ部を辞めちゃったの?
どうしてバスケをやらないの?
その質問は、俺がお前にしたいよ。
どうやったらまた試合が出来るようになる?
どうやったら大好きなバスケを飽きるほどプレイ出来る?
……そう、俺がお前に質問したい。
『お前に関係ないだろ!
いいから放っておけよ!』
『………どうして?
私は清也の彼女、じゃないの……?』